KH-KZ3000 修理
KH-KZ3000のヘッドバンドが劣化してしまったので送付修理に出してきました。
ASSY交換となりヘッドバンドが7000円、イヤーパッドも買い求めたところ片側1000円となりました。
技術料が6000円でしたのでなかなか良心的なんじゃないかなと。
しかし痛い出費となってしまいました…
U-05・AL-38432DRガチンコ対決
USB-DACが欲しい!と思って検討したところ、U-05とAL-38432DRの2台が上がりました。どちらも中古相場は似たようなもの、ということで2台買ってしまったわけです。
まとめてしまうとU-05は上品で定位が良好なサウンド。AL-38432DRは派手目で低音の量感が良好です。
SE-A5000+S-HE100がうちの環境ですが、うちにはU-05の方が合っているような気がします。
AL-38432DRはうちでは聴き疲れするようなサウンドになってしまいますね。派手目なので低能率スピーカーには合うと思います。また、量感重視の低音なのでうちのダブルウーファーのスピーカーでは低音が下品になってしまいました。
一方U-05は定位がAL-38432DRより優秀でなにが鳴ってるのかはっきり分かります。ロックレンジが調整できたり、入力が豊富だったりするあたりはさすが元大手メーカーですね。上品というのは裏を返せば物足りないと思うときもあるということです。そこらへんはトレードオフでしょうね。
Technics SE-A5000
今回はSE-A5000がテーマです。
1月の末頃、ひょんなことから手に入れることになりました。
https://twitter.com/sy1_vt/status/1424928763784024066?t=cu9LaJlI4jH4iB3Lmk6G2w&s=19
なんとジャズ喫茶のマスターからタダで貰えてしまった個体です。嬉しかった反面、こんな高級機を修理できるのかという不安がよぎります。
ジャズ喫茶出身のジャンクとあってお世辞にも状態はよくありません。電源ケーブルは切断され、触っただけで手がヤニで汚れるような有様。タバコ臭も非喫煙者には堪えるものがあります。
しかも34kgという重量がこれまた扱いを難しくしております。引取りに行った際も、ご存知の方はわかると思いますが、店舗が地下にあるため1人では無理、マスターにお手伝い頂いてようやく車に載せることができました。
さて、マスターの話によると電源は入るようです。プロテクトが解除しないようですが、この状態でいきなり通電させるのは正気ではありません。高級機ということもあって、修理はより慎重にならざるを得ません。
早速ですが、危ない箇所を発見。保護回路とメーター駆動回路に繋がっているヒューズが飛んでいました。電源が来ていないのですから、プロテクト解除できないというお話にも納得です。問題はなぜ飛んだかになります。この問題を取り除かない限りは通電させる気にもなりませんね。
底板を外してまず目につくのが基板の焦げ。リレー周りの抵抗やヒートシンクの付いた整流ダイオードの下が焦げています。メーターの電球も全部切れていて、何かが砕け散ったような白い粉が…重症の予感がします。それにしてもヤニ臭い…
整流ダイオードを取り出します。ヒートシンクと本体はネジ止めされていて本来取れるのですが、ビクともしません。完全に融着していました。テスターをどこに当てても導通なし。落雷か何かで壊れた?のではないでしょうか。こちらは千石電商に代品があったので手配。
リレーは金接点の高品位なものが使われていますが、元がタバコ環境であることを考慮して、推奨代替品のAJW5512に交換します。AJW5512は銀接点です。
酷い焦げです…不思議なことに抵抗自体は大丈夫そうです。一応W数の大きいものに交換。セメント抵抗も問題ありませんでしたが、ヤニに汚れて美観的によろしくないので併せて交換です。
続いてメインアンプの基板を見ていきます。ものすごい物量です。中身はほとんどヒートシンクとトランスで占められています。物量投資がすごい分、回路自体はシンプルでメンテしやすそうだなと感じました。
まだ続きます。更新をお待ちください…
Victor TD-V66
Victor TD-V66
2019年の年度末あたりに購入したこの個体、カセットデッキが欲しいけどまずはどんな機種を買うべきだろうか…と悩んでいた時にとある人からちょうど見かけたよとおすすめしてもらったのがこのTD-V66でした。ハードオフにて2k、私にとって初めてのジャンクカセットデッキでした。
初めてのジャンクとは言うものの、こいつは動作品でした。状態は並品といったところ。中には蛾の死骸が… まあジャンクではあるあるでしょうか。
第一印象は正直ちゃちだなという感じ。叩けば鳴る天板にペラペラの底板。頼りないスポンジ足… 定価だったら選ばない…かもしれません。後から気づいたのですが、こいつのアジマス調整用ネジは特殊で、調整するには刺股のような精密ドライバーが必要になります。今のところ大丈夫そうですが、アジマスがズレたら清く諦めるしか無さそうです。
中身は至って普通。斜めに取り付けられたトランスと、この時期のビクターに多用された東信産業製(東信工業ではない)の電解コンデンサーが印象的。チェック中、背面にとりつけられている3つのレギュレーターの発熱が気になります。かなり熱くなるのでヒートシンクの追加とグリスの塗り直しをしました。
さて、動作品なので特にやることもないのですがいい機会だったので電解コンデンサーの交換を含むリフレッシュと 魔 改 造 をしました。全部交換することもないだろと今振り返れば思うのですが、当時の私は電解コンデンサーを全て交換しています。
電解コンデンサーは要所要所にオーディオ用を取り入れます。音声回路にはMUSE ESを、平滑にはKW、整流にはなんとSBDを使い、録音回路に1箇所PMLCAPを仕込みました。なんという魔改造ぶりでしょう…
極めつけはこれ。スポンジ足の代わりにオヤイデの真鍮スパイクを取り付けています😳 ここまで来たら後戻りはできません…
先程登場したSBDとPMLCAPですが、雑に言えばSBDは(重)低域を、PMLCAPは高域を改善します。当時の私は改善するなら入れてしまえとばかりに使っていますが、本来あまり良くありません。デッキの特性が大きく変わってしまうからです。補強された重低音で音割れもしやすくなりますしね。
交換されていく電解コンデンサー
順調に魔改造を受けていきますが、一定の成果を得たものの諸刃の剣といいますか、弊害もわかってきました。PMLCAPを使ったことによって常にバイアスを浅くとっているかのような状態になります。したがって、高域molの大きい優秀なテープやソースによってはチャキチャキとうるさい高音になってしまいます。南野陽子なんて録ったら相性悪いでしょうね(笑)
その代わり最近のあまり優秀でないテープには強さを発揮します。同時期に手に入れた、これまた魔改造したNECのCD-430(オペアンプをLME49860MAXに交換)と末期のAXIA A1やA2、URの組み合わせがこのTD-V66の十八番になっています。末期のテープとは思えない、素晴らしいサウンドに仕上がります。
ここまで進めておいてですが、なんとタクトスイッチを無交換のままにしてしまいました🙄 この時期のVictorは確実にタクトスイッチがやられるので交換推奨にも関わらず…やってしまった。組み立てた後だったので後の祭りでした。まあ今のところ大丈夫なので、いいでしょう!
TD-V66は今でもメインで活躍中です。私が治具やテストテープを持っていない都合上、録音レベルが少しズレています。またメカはノータッチです。カセットデッキは整備にテストテープや治具がないと正確な整備ができません。もう手に入らない道具も多いのでそこが1番のネックですね。いつかはテストテープが欲しいものです。
つづく
SONY TA-F333ESXⅡ
SONY TA-F333ESXⅡ
オーバーホールの記録
以前私がメインで使っていたプリメインアンプです。使用期間はちょうど1年程だったでしょうか。購入時から割と綺麗な個体で動作品だったのですが、経年したアンプですのでそう一筋縄にはいきません。
天板の網目から薄々気づいていたのですが、さすがというか…まあ30年以上経った家電なんてこんなもんでしょう。ポジティブに考えれば、このホコリの量はいじられ個体じゃないといういい証拠。すぐに掃除しました😅
しばらく普通に使っていたのですが、ある日、焦げ臭いにおいに気づいて慌てて電源を落とし、分解してみると抵抗がこんな感じに…😱 どうやらスピーカーをオフにするとここに負荷がかかるらしく…いつかはオーバーホールしないといけないと思ってはいたのですが、これを見てオーバーホールを決心。
順調に分解していきますが、難易度は簡単ではないものの難しいとも言えない。ネックはかなり重いこと。動かす度に腰にきます。さて、この頃の222,333,555の連番アンプシリーズに共通する弱点はセレクター類のアルプス製スライドスイッチです。
例え音が出ていてもこのようにメンテナンスされていないスイッチは例外なく経年劣化で真っ黒になっています。これが原因で音が出なかったり、途切れたりします。このシリーズはかなり人気がありますが、ノーメンテの個体をそのまま使うなんて正気の沙汰ではありません😅 言っておきますが接点復活剤を隙間から噴くくらいじゃ綺麗になりませんよ。
分解清掃でここまでキレイになります。無水エタノールで洗浄。パーツクリーナーも併用しましたが、樹脂への影響が少ないものをチョイス。ちなみにこのスライドスイッチは555ESRでは銀接点になっていまして、333と555ではしっかり差があります。ボリューム類もほぼ全て分解洗浄しました。これでかなり音質向上が期待できます。
今回は徹底的にオーバーホールをしていきます。シャーシは水洗いします。電解コンデンサーも平滑以外は全て交換しました。しかしながら、オリジナルで使用されている電解コンデンサーはニッケミやニチコンが中心ですから経年劣化は少ないと思われます。アッ松下製は問答無用で交換しましょう(笑)
このアンプに限った話ではありませんが、ソニーの機器は全体的にハンダが薄かったり、たまに雑だったりとハンダに問題を抱えている気がします。この写真のパワトラ部なんてひどいもんです。こんな芋ハンダで30年もつものなんですね。もちろん全部修正。しかもフラックスが汚いし。
電解コンデンサー交換後、組み立てます。もちろんリレーも新品に交換済み。若干ですがインレットになってるのが見えると思います。インレットに改造することでオーディオ用電源ケーブルが使用可能に👍
アンプを分解整備したのは初めてだったので途中トラブルや小さな失敗をしていますが、DC漏れもなし!無事完成です!他にもメンテ箇所はありますがブログでは書ききれません😓ここまでやって初めてオーバーホールと言えるのではないでしょうか。完成まで2ヶ月半かかっています。こいつには悪いですが二度とやりたくない。
突然の来客、KENWOOD DP-2000と
このアンプ、重量のほとんどが電源トランスにあるような気がします。トランスだけ手に持ってみたのですが、10kgあると言われても信じるかもしれない…かなり重いです。ここまで苦労したのですが、現在はジャンク部屋で眠っています。サブシステムを組む場所も無いため死蔵中。
つづく…
Pioneer S-X730
Pioneer S-X730
私にとって初めて手に入れた本格的なスピーカーでした。オーディオを始めたてでどんなスピーカーを買おうか悩んでいた時、このスピーカーを親戚からタダで貰ったのです。つい最近まで、オーディオを初めてから約4年半、こいつだけは最古参でメインシステムに残り続けました。
さて、S-X730というスピーカーは一体なんぞやと思われるでしょうが、フロントにあるエンブレムの通り、パイオニアのプライベートシリーズ、その中でもPRIVATE PROというハイコンポに付属していたスピーカーになります。
過去にパイオニアに問い合せた際に判明したスペックは以下の通りです。
インピーダンス:6Ω
再生周波数帯域:40Hz~40,000Hz
出力音圧レベル:91dB/W(1W)
最大入力(EIAJ):160W
クロスオーバー周波数:800Hz、4KHz
スペックは今見ても申し分ないでしょう。流行りのハイレゾにもバッチし対応してます👍PROがつくとなると恐らくですがプライベートの上位機種群ということになりますかね。コンポのスピーカーだからといって侮ることなかれ。20cmウーファーがついた立派な3wayスピーカーです。板厚はなんと約25mm😳 コンポ付属のスピーカーということを考えると現代では考えられないほど贅沢です。
といっても最初から不具合が無かったわけではなく、程なくしてツイーターから音が出ないことに気づきました。ユニットを取り外した時の、ヴィンテージオーディオ独特の古い木材のにおいを今でも覚えています。
いろいろ調べたり、フォロワーさんから助言を頂くうちにどうやらこのホシデン製のリレーが怪しいという結論に。結果は黒で、代替は手に入らずバイパスすることに。オーディオ始めたてで道具も少なく、なんとネットワークを画鋲で固定してその後何年もそのまま使い続けることになります(苦笑)
後年、音質に満足していなかったのでスピーカーの音質アップするならコンデンサー交換だ!と思い至りこのネットワークはご覧の通り大改造を受けることに。Parc audioのフィルムコンデンサーにSirtoneの内部配線、バナナプラグ対応化、吸音材の配置換えなど、このスピーカーで限界まで行ってやるという気概が伺えます。普通なら買い換えろよとなるところでしょうけど(笑)
ツイーターのグリルが外されています。
かくして頑固な私のせいでこのS-X730はだいぶ長い間、私のオーディオを彩ってくれました。このスピーカーをタダで手に入れて無ければ、オーディオを始めることも無かったでしょう。とても愛着のあるスピーカーだったのですが、やはり限界を感じて現在は自作バックロードホーンにおさめたFE103-solがメインを張っています。
S-X730のオリジナルのスピーカーネットワーク
今は倉庫兼ジャンク部屋で眠っています。といっても手放したりするつもりは全くなく。いつかまた日の目を見る時がくるでしょう。
つづく